こんにちは。経営者のための文章コンサルタント松永弥生です。
今日は、少し前にTwitterで話題になっていた読書感想文不要論について、私が思うところを書きます。
Twitter上ではある国語の先生の「読書感想文は必要ないのでは?」という書き込みを発端として、様々な立場から読書感想文が必要か不要か? そこから発展して、読書感想文の思い出などが書き込まれていました。
残念ながら、元の発言は削除されてしまいもう読めないのですが……。
ここでは読書感想文の要不要の話はしません。日頃から私が読書感想文について思ってることを書きます。
私の文章講座には「文章を書くのが苦手」と悩んでいる方が大勢参加してくださっています。
その方たちにも伝えるのですが、文章を書くことに苦手意識を持ったのは、読書感想文がきっかけだと私は、考えています。
今の子供たちは少し違うようですが、私が子供の頃は、小学校1年生の夏休みから読書感想文の宿題が出ていました。
4月に小学校に入学したときに、国語の授業は「あいうえお」とひらがなの書き方、漢字の「一二三」を習うところから始まりました。3ヶ月たって夏休みになるといきなり、「絵日記を書いてくること」「読書感想文を原稿用紙3枚書くこと」と宿題が出るんです。
無茶だと思いませんか?
これを水泳の授業に置き換えて考えてみてください。
幼稚園までは膝下のビニールプールみたいなところでバシャバシャ水遊びをしていました。小学校に入っても、夏休み前の授業では足がしっかりつくプールで水遊びレベルの水泳授業を行ってました。
夏休みに入った途端「海で1kmの遠泳をしてこい」とは言われないのに、国語ではそれと同じレベルのハードルの上げ方をされているんです。
水泳の授業だったら無茶だとわかることを、私たちは国語に関しては、何も考えずに宿題として出されてきました。
「日本語を話しているんだし、ひらがなの書き方を教えたから作文をかけるだろう」くらいの雑な考え方ですよね。これは、別に教師、個人個人の問題ではなく文科省がそういう設定をしていたのでしょう。
実際は、文章だって書き方を教わらなかったらかけるようにはなりません。とても当たり前のことです
多くの子供たちは、小一の読書感想文の段階で「どう書いていいのかわからない」「何を書いていいのかわからない」とパニックを起こし、「文章を書くのが嫌い」と苦手意識を持ってしまっていると私は考えています。それは、無理のないことでしょう。
その後も、小学校、中学校、高校と、国語の授業で文章の書き方を教わる機会はほぼありません。せいぜい起承転結で書きましょうとか、原稿用紙の使い方を教わる位です。
国語の授業で主にやったのは「作者はここで何を伝えたいのか?」だったり「主人公は何を思っていたのだろうか?」を読み解く練習です。つまり行間を読む(=空気を読む)訓練ですよね。
本来、人間関係と言うのは個人対個人の関係であって、そこにある感情も個人特有のものです。
例えば私には2歳下に妹がいます。私にとっての母との関係と、妹にとっての母との関係は違います。同じエピソードでも私の母に対する印象と、妹のそれは違って当たり前なんです。
国語の授業でも、その時、作者がどう思ったのかを個々人がそれぞれ考えて良いはずなのに、“正解”があるんですよね。今、こうして考えると不思議な感覚です。
そうした“正解”を前提とした読書感想文を書かなければいけない。その圧迫を子供ながらに感じつつ、読書感想文を書いていたような気がします。
私は結構ひねくれた子供だったので、小学校高学年になったときには、推薦図書などは選ばずに自分が好きな本を読んで読書感想文を書いていたので、それほど苦痛ではありませんでした。中学生の時は、当時ハマっていた眉村卓のSF小説の感想文を書いたりもしました。これは結構、先生にウケが良かったです。
自分が興味がないものについて、感想や意見を求められるのは大人にとっても苦行です。読書感想文を書くのなら、普段自分が読んでいる1番好きな本について書くのが良いです。
推薦図書について書く時、面白い・好き・楽しい、だけでなく、つまらなかった・読んでて腹が立ったというのも感想で、それを書いてもいいのです。
大事なのは、単に「つまらない」で終わらせないで、なぜそう思ったのか? それを考えて人に伝えることだと思います。
別に推薦読書の感想だけではなく、漫画でもドラマでも、何かを見て触れて感じたときに「なぜ、自分はそれに対してこういった感想を持ったのか?」それを人に伝える訓練は、日ごろからしておいた方が良いなと感じています。
なぜならそれが個性となり、文章にも現れるからです。
そして「文章を書くのが苦手」と思い込んでいる方には、「書き方を習ったことがないだけですよ。ポイントを教わるだけで、苦手意識が消えて書きやすくなります!」と伝えたいです。
項目 | 所要時間(分) | 文字数 |
キーワード出し | 7 | |
音声入力 | 8 | 1862 |
推敲・修正 | 25 | 1932 |
校正(2回) | 8 | 1930 |
タイトル画作成 | 10 | |
アップロード | 5 | 2026 |
計 | 63分 | 2026 |