こんにちは。経営者のための文章コンサルタント松永弥生です。
今日は文章を「スラスラ書くコツ」についてお話をします。と思ったんですが、書いてみたら「コツ」ではなく「覚悟」になりました(笑
初対面で「ライターをしています」と自己紹介すると「ライターさんですか。文章がスラスラ書けていいですねぇ」と言われることがあります。
文章、スラスラ書けたらいいですよね……。私もずっとそう思っています。
私はライターの傍らで、文章講座もやっています。講座には、文章を書くことに苦手意識を持っている方が参加してくださっています。皆さん「文章がスラスラ書けたらいいのになぁ」と考えていらっしゃるようです。
私は、もともとは文章に対して苦手意識はあまりありませんでした。子供の頃から読書が好きで、読書感想文や作文も特に困った記憶がありません。
友達から「どうやったら文章がスラスラ書けるの?」と質問された時も、何を聞かれているのかよくわからず「思ったことを書けばいいんじゃないの?」と答えていたくらいです。
そんな私なのですが、実はライターデビューをしてから全く文章が書けない自分に気づいて愕然としました。
書けなくなった理由は、いくつか心当たりがあります。
そのうちの1つが“読まれることを意識してしまった”からでした。
それまで友人たち向けに書いていたブログは、ロボットコンテストで、どんなロボットが面白かったか、私の好きなロボットはどこがかっこよかったかなどを思うまま気楽に書いていました。
それが仕事になり取材して記事を書くとなった途端に、読者を意識してしまったのです。
誰がいつどこで読むのか。読んでどう感じるのか。なんと思われるのか、わからない。そう思ってしまった途端に、文章を書くのが怖くなりました。
読み手を意識するのは、決して悪いことではありません。けれど、このときの私には、読者の存在が怖かったのです。
今ならその根底にあるのが、私の見栄っぱりな性格だとわかります。
間違ったことを書いてしまったらどうしよう。つまらないことを書いてると思われたり、見当違いのことを言ってると指摘されたり、知識もないのに生意気だと言われてしまうのでは? ミスに関しては、丁寧に取材して書けば防げるけれども、「自分の視点や意見が他の方とズレていたらどうしよう」はどうにもならないことです。
「こんなことを書いても大丈夫だろうか?」という恐ろしさからは、なかなか抜けられませんでした。
日記代わりのブログではなく、世の中に出す情報なんだから、意義のある記事にしなくては。ちゃんとした視点を持たなければいけない。
そんなふうに自分にプレッシャーをかけていました。
今にして思えば、趣味の延長でたまたま仕事をいただいただけの私には、そこまでのスキルがありませんでした。だから、そんなことを考えていたら書けなくなるのは当たり前だなぁ……と思います。
実際、当時は原稿を書くのがすごく苦痛でした。
それでも仕事を引き受けた以上、書かないわけにはいかないので、どうしたらこんな苦しい中でも文章がスラスラ書けるんだろうと考えながら色々と工夫してきた15年でした。
文章を書けないと悩む人の気持ちは、身をもって理解しました。オリジナルコンテンツで文章講座ができるようになったのは、当時、悩みながら工夫を重ねてきた自分がいるおかげです。
文章をスラスラ書くために、いろいろなコツや工夫がありますが、それよりもやはり1番大きいのは、見栄から抜け出すことに尽きます。
自分の素直な言葉で書く。
自分が感じたことを書く。
これが、私の考えなんだと書く覚悟。
それがないと文章を書いて発表できません。
私も本当に長い間、抜け出すことができませんでした。
ライターの仕事から派生して文章講座をやるようになり、ホームページを作っても、そこでブログが書けませんでした。
私の周りには、先輩ライターさんが大勢いるのに、私なんかが文章講座をやっていいんだろうか? 松永の分際で生意気だと思われるんじゃないか?(そんな意地悪なことを言う先輩ライターはいないのに)そんな風に怯えながらやっている自分がいました。
ホームページをリニューアルをして、ブログを書き始めたのは先月です。
今は、月曜から土曜まで毎日ブログをアップしています。
私はようやく自分の言葉で、自分の体験や考えを話す勇気を持てたんじゃないのかな。そんなふうに思います。
ここまで来るのに、長かったなぁ……。
文章を書くには良い意味で開き直って「私」をさらけ出す覚悟が必要です。文章を書いたら、自然とそこには自分の存在が現れます。見栄を張って言葉を飾っても仕方がありません。
自分の言葉で、文章を書く覚悟を決めてください。それだけで、今より少しだけ、文章が書きやすくなります。
項目 | 所要時間(分) | 文字数 |
キーワード出し | 8 | |
音声入力 | 12 | 1933 |
推敲・修正 | 21 | 1957 |
校正(2回) | 7 | 1951 |
タイトル画作成 | 5 | |
アップロード | 6 | 1970 |
計 | 59分 | 1970 |