こんにちは。経営者のための文章コンサルタント松永弥生です。
今日は「絞り込むことの大切さ」についてお話します。
今日は、7月6日。
何の日かご存知ですか?
7月6日は……サラダ記念日! です。
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
歌人 俵万智さんが詠まれた短歌です。
この歌が、世の中に広く知られるようになったのは、1987年、俵万智さんの第一歌集「サラダ記念日」の出版がきっかけでした。
私は俵万智さんと同世代なので、当時の社会現象とも言えるサラダ記念日ブームをよく覚えています。500部単位で出版されるのが常識だった歌集業界で、280万部のミリオンヒット。書店に歌集が平積みされるなんて、後にも先にもこの時だけだったのではないでしょうか。
もう35年も前の事なんですよね。
中学の教科書にも、この歌は掲載されている(いた?)そうなので、若い世代の方も、あの頃のブームが想像つかなかったとしても、この歌はご存知かもしれません。
私は、毎年7月が近づくとサラダ記念日を思い出します。
というのは、今でも7月が近づくと、企業がサラダ記念日にちなんだ企画をし、プレスリリースを出すからです。
キューピーの公式サイトには「サラダ記念日特集」のサラダレシピ一覧がありますし、今年は、大丸東京が「サラダ記念日はおうちでサラダを楽しんでみませんか?」と提案しています。
俵万智さんは歌の中に住んでる街の情景などを読み込んでいるため、作品をノンフィクションのように受け止められることが多いそうです。けれど、短歌は作品であり創作。
この歌も元のエピソードは、サラダでなくて唐揚げ。唐揚げをいつもと違う味付けにしたら「おいしい」と言われたので、「今日は記念日だな」と思ったのが創作のきっかけだそうです。
サイドメニューが記念日になる感動を表現したかったので、サラダに変更。7月6日の日付設定も、恋愛のイメージが強い七夕の1日前を選んだとか。爽やかな印象出すために、“7月”“サラダ”の頭韻を重ねている計算された作品なんだそうです。
そうした短歌としての技法は私にはわからないことなので、書籍からの受け売りですが(笑。
私は、この作品は、7月6日と絞ったのがブランディング的に凄いと思います。
もしこの歌が、
「この味がいいね」と君が言ったから今日は二人のサラダ記念日
だったとしたら、社会に根付くことはなかったでしょう。
もちろん作品の完成度が低くなるというのもありますが、私は7月6日と日付を絞ったところにこの歌の強みがあると思っています。
セールスレターやコピーを書くときにターゲットを絞れと言われても、なかなか怖くて絞れるものではありません。
絞ってしまうとターゲット外を取りこぼしてしまうのではないか? と不安になるからです。けれど実際には、ギリギリまで絞り込んだ方がターゲットの心に響くのが事実です。
分かっていても、絞りきるには勇気が必要なんですけれど。その時に、私が思い出すのが、このサラダ記念日です。
もし「7月6日は」と言いきらなかったら、この歌は35年後にも、キューピーやサラダを扱うデパート等のキャンペーンに絡められる事はなかったでしょう。
俵万智さん自身、まさかご自分の歌が35年間もこのように話題になるとは想像してなかったのではないでしょうか?
「この味がいいね」と君が言ったから7月6日はサラダ記念日
ターゲットを絞るのが怖くなったら、この歌を思い出してください。365分の1に絞ることで、人の記憶に残り社会に根づく歌になったのです。
項目 | 所要時間(分) | 文字数 |
キーワード出し | 8 | |
音声入力10 | 10 | 1255 |
推敲・修正 | 19 | 1460 |
校正(2回) | 8 | 1451 |
タイトル画作成 | 6 | |
アップロード | 6 | 1464 |
計 | 分 |