こんにちは。経営者のための文章コンサルタント松永弥生です。
今日は「昔の作家は、パソコンがない時代にどうやって原稿を書いていたの?」について話をします。
以前、文章講座を行ったとき、参加者の方からいただいた質問に対する答えです。
質問をくださったのは、年配の男性でした。
「昔はパソコンがなくて、今のように簡単に書き直せなかったでしょう。その頃の作家は、どうやってあんなにいい文章をピシっと書けたのですか? コツを知っていたら教えてほしい」とおっしゃるのです。
私は、予想外の質問に一瞬面食らってしまいました。そして「あぁ、面白いことを考えるなぁ」と感心したのです。
その男性は、作家の人は文章をスラスラと原稿用紙に一発書きしていると想像していたのでしょうね。自分は文章書くのが苦手で、何度も書き直しているけれど、作家のようにコツを掴めば、あんな風に一度で見事な文章をぴったりと書けるようになるかもしれないと考えたのでしょう。
夢を砕いて申し訳ないけれど、そんな魔法使いのような書き手は(たぶん)いません。
子どもの頃に使っていた原稿用紙を思い出してください。
文字を書く升目が並ぶ行間は、余裕があったでしょう。昔の作家さんは、原稿用紙に万年筆や鉛筆で文字を書き、その余白にびっしりと修正を書き込んでいました。
後から赤字で修正することもあれば、書きながら同じペンで消したり書き換えたりしているケースもあります。
先月(2020年6月)、故遠藤周作の未発表草稿が発見されたというニュースがありました。
報道に掲載された写真を見ると、A4用紙かノートに書かれているようです。原稿用紙でないのは、草稿だからでしょう。文字を線で消して書き直している跡が見られます。7月1日から、長崎にある遠藤周作文学展の会館20周年記念企画展で公開されているそうです。
ネットで「原稿 発見」と画像検索すると文豪の清書前の原稿を見られます。
皆さん原稿用紙の上で、何度も推敲を重ね、その後、清書をして編集者に渡していたのでしょう。
「作家のように才能があれば、文章を書くのにこんな苦労しなくてすむのに……」と、私も考えたことがあります。(というか、よく考えます 笑)
「プロの仕事は、魔法のように見える」と言ったのは、うちの夫ですが、作家の皆さんも考え悩みながら書いています。後世に名を残す文豪が悩むのですから、凡人の私がブログ1本書くのに悩むのは当たり前ですねー。
手書きの原稿を見ると「今は、パソコンがあって本当によかった」と思います。私も、何度も見直し書き直すことを怖がらずに、文章を書いていこうと考えています。
項目 | 所要時間(分) | 文字数 |
キーワード出し | 10 | |
音声入力 | 10 | 835 |
推敲・修正 | 12 | 1036 |
校正(2回) | 5 | 1078 |
タイトル画作成 | 6 | |
アップロード | 5 | 1103 |
計 | 48分 |