こんにちは。経営者のための文章コンサルタント松永弥生です。
今日は「プレスリリースを出したいけれど、取材に来られては困る」というご相談についてお答えします。
先日、プレスリリースサポートのほうに、上記のようなお問い合わせがありました。コロナ対策を考えると、メディア取材に来られては困るケースはありますよね。
ご相談を受けて「なるほど。そういう場合も、今はあるんだろうな」と思いました。Withコロナだから、増えてるかもしれないお悩みです。
私は、過去に似たようなケースを経験しています。
ロボット関係の取材で、ベンチャー企業と病院から連名で送られてきたプレスリリースでした。
長期入院している子どもたちをロボットがお見舞いに行くイベントです。プレスリリースには、「ぜひ取材にいらしてください」とあったので、もちろん私も行きました。TV局や新聞社も含めて5〜6社が取材に来ていました。
ところが、当日会場で「ロボットは撮影してもいいけれど、子どもたちは映さないでください」と言われたのです。もちろん、子どもたちのコメントもNGです。
私だけではなく、集まった新聞社やテレビ局の方々も非常に困りました。
子ども対象のロボットイベントだったら、メディアが欲しいのは “ロボットを見ている子どもたちの笑顔の写真・動画”、そして子どものコメントです。
それらが一切NGならば、会場まで来て取材する意味はありません。プレスリリースの内容をベタ記事(新聞などで、数行で伝える写真なしの記事)にすればいい話です。
もちろん、病気で入院している子どもたちですからプライバシー保護の問題は大事なのは、わかってます。そこを無視して撮影をしたりしません。
私は、折り合い点を見つけるべく、提案もしました。
子どもが特定されないように配慮して、ロボットを取り囲んでいる子どもたちは後ろ姿で撮影させていただけますか? 子どもは十数人いる状況で、ちょっと遠巻きに撮る感じにします。
こんな絵づらです……と、イメージ画を見せて許可を取ろうとしたのですが、「親族が見れば、髪型やパジャマで誰かわかってしまうからダメです」とにべもない返事でした。
このあたりで、テレビ局の方は上司に電話報告をし、取材せずに帰ってしまいました。その気持ちは非常によくわかります。テレビ局としては後ろ姿すら取ってはいけないのであれば、全く絵にならず、夕方のニュースで流す価値がありません。
この場合、何が失敗だったかというと、プレスリリースを出す際に「メディアが欲しがる情報」「メディアが必要とする絵」を理解していなかった点です。それでミスマッチが起きてしまいました。
その点を理解して、事前にプレスリリースで「子どもたちの撮影はNGです」と書いてあればよかったのです。そうすれば、TV局は取材に来なかったでしょう。(怒って帰らせるよりマシです・・・)
では、このようなプレスリリースを出す場合にどうしたら良いのか?
それは、前述のとおり、取材できる範囲を明確にしておくことです。
そして商材として使用OKの写真や動画は、サーバーにアップしておいて、プレスリリースに記載したURLからダウンロードできるように用意しておく。
要するに、プレスリリースだけで情報が完結するようにしておけばOKだったのです。
今回、相談をいただいた企業様には、「現地の取材はコロナの関係で行えないが、電話やZoomでの取材は対応可」と明記しておくようにアドバイスしました。
そうそう。
結局、病院でのロボット取材は、イベントが始まる少し前に保護者の方が何人かいらして、病院職員さんが取材の件を伝え「後ろ姿だったら撮影してもOK」と許可を取ったので、ロボットを取り囲む子どもたちの写真を撮れました。
今となっては、懐かしい思い出です。
項目 | 所要時間(分) | 文字数 |
キーワード出し | 6 | |
音声入力 | 8 | 1461 |
推敲・修正 | 22 | 1547 |
校正(2回) | 6 | 1554 |
タイトル画作成 | 6 | |
アップロード | 8 | 1584 |
計 | 54分 | 1584 |